木に漆塗り・・・日本の箸は天然もの。からだに環境にもやさしい、日本が誇れる道具のひとつです。
お箸の国の人だから、使い方、マナーも大切にしますが、ここではあえて難しいこと、 うるさいことは置いといて・・・。
普段着気分でお箸にまつわる、ちょっと楽しい情報、食卓の遊び心を綴っていきたいなと思います。 

コピー ~ DSC_0084.JPG


十人十色の箸

写真のお箸は誰が名づけたのか
『色々(いろいろ)箸(ばし)』というニックネームがついています。        
名の通り、全部で20色が揃っております。
決して上等な塗りではありませんが、目下いちばん食卓に並ぶ回数が多い、
重宝物な、愛しのお箸たちです。
朱色に抹茶色に浅緑に鶯、蘇芳、弁柄色に橙などなど・・・全部で20色20膳。
二つと同じ色がないから絶対、間違いなし!というわけで、
お客様を大勢お迎えする日には必ずこの色々箸が大活躍。
まさに十人十色の『集いのmy箸』なのですが、
むしろこの『色々箸』が真骨頂を発揮するのは普段の食卓アレンジです。


色々箸でSPICEを効かせる!

まずはマークすべきは食材の天然色。朱系に緑系、それに黄色と茶系、それに黒。
たとえば以下のような感じです。

説明しやすいよう撮影したため、普段は決してやらない「渡し箸」になっている写真もあります。ご容赦くださいませ。

梅干しと箸002.JPG


▲京風ばら寿司。トッピングのインゲンを使い切ってしまい、なんだか寂しい・・・

梅干しと箸015.JPG


▲そこで登場「黄緑」の箸。目にも美味しくなります。

DSC_0004.JPG


▲あんかけ焼きそばに橙色を補って

DSC_0422.JPG


▲きつねうどんの茶系に濃いグリーンで引き締め

090612 熊野古道 芝神社 南高梅440.JPG


▲スナック即席チキンラーメンもペパーミントグリーンの箸で大人のおやつに 

DSC_0406.JPG


▲夏のおぜんざいは抹茶色で涼やか演出

やっぱり天然色「緑色はエライ!」

例えば本日のランチの場合。
昨晩友人のお誕生日会に大量に仕込んだ京風ばら寿司が
少しだけ残った〔写真上〕。トッピングに準備していたインゲンも使い切ってしまい、
お寿司を器に盛り付けて見たもののなんだか寂しい。
京風ばら寿司といえば高野豆腐に椎茸とちりめんじゃこが定番、
我が家では油揚げとレンコンなども使うが、所詮すべてが茶系・・・
紅生姜を散らすとしてもなんだか渋い、残り物風情・・・
そこで登場したのが『色々箸』。
隠元と同系色の黄緑を添えるとなんと目にもご馳走に大変身。
たったひとりでいただく『おひとりさまランチ』でも
実はこのグリーン系の箸がいちばん露出度高。
パスタにうどんにおそば・・・と、一日一麺主義を貫く、
根っから麺好きの我が家ではなおのこと。
本来あるべき薬味の青葱がないときや野菜不足のランチに彩を添えてくれる。

◆グリーン系以外の色も、和服の襟元に重ねる半襟のように、
鮮やか色をスパイスさせることで顔色までがいきいき見せる、
そんな遊び心を食卓の箸色に見立てれば食生活がもっと楽しくなりますよ。

「五味五色五法」って知ってる?

「五味・五色・五法」という言葉をご存知でしょうか?
◆五味とは“甘・酸・辛・苦・鹹〔塩辛い〕”
◆五色とは食物の色“白・黄・赤・あお・黒”
◆五法とは“生、煮、焼、揚、蒸”これは調理法のことです。
「五味・五色・五法」はもともと中国の陰陽五行説の考え方。
日本の和食もこれに従って構成されているのですが、
主婦が作る普段着のおかず作りにおいても、おのずとこの法則を取りいれているものです。
さまざまな食材と調味法、それに調理方法組み合わせることで
おのずと体にいいものを摂取することが可能なのです。
とりわけ“日本食は目で味わう”・・という。

このように味覚〔舌〕や嗅覚〔鼻〕のみならず五感の中でも“視覚”でいただくことを大切にする日本人。
毎日無意識にいただいている献立にも、食の色から大きく影響をうけているのです。

美味しそうに盛り付けられた色とりどりの食べ物には、
たとえお腹がすいていなくても食欲がわいてきます。
食物の色をいただくことによりおのずと食物の栄養/パワーをいただいているのです。

そういえば、
学生時代に色彩心理学を学んだ友人〔主婦〕がいっていましたっけ・・・
・元気がないときは、赤やオレンジ、黄色などの暖色系、
・少々興奮気味でクールダウンしたいときは寒色系のブル系
・バランスを調整したいときはグリーン系
などなどの考え方を献立てに応用しているそうです。
料理する時間がない、冷蔵庫にほしい色の食べ物がないときなどは
食べ物の代わりに器やクロスやカトラリーなど
テーブルコーディネイトにさし色として色のパワーをいただくのも可能です。
そんなとき絶対あれば便利なのが『色々箸』なのです。
(構成・文/Yumiko)